ゆかたべさんは江戸時代の山中温泉にいた16歳の少女たちのことを指します。4×4(シシ)からお獅子さんとも呼ばれていました。その頃、旅館には内風呂はなく菊の湯(総湯)まで客を送迎することがお仕事でした。入浴中、浴衣を預かり、またお客さんに間違えずに返すことが出来るという特殊な技術も持ち合わせていました。
芸妓さんが、手ぬぐいを頭に巻いて仕事に向かう姿が獅子舞の姿に似ていたという話もあります。現在でも、ご年配の中には、夜中に若い女性が歩いていると、「シシが出たぞ〜」とおっしゃる方もいらっしゃいます。また、ゆかたべさんたちは、芸妓見習いでもあったため、その中には芸妓になる人も少なくありませんでした。
現在では、恋愛成就、心願成就、商売繁盛の守り神としてゆかたべさん人形という九谷焼のお土産にもなっています。